5 May 2022

2 mins read

マウスピース矯正をするときに親知らずの抜歯は必要?

「マウスピース矯正をしたいけど、親知らずが生えている…」「抜くべきかどうかわからない」と悩んだことはありますか? 親知らずが生えていると、歯科矯正に悪影響があるのではないか、また歯科矯正をすることで親知らずが痛み出すのではないかと不安になります。 今回は「マウスピース矯正をするときに親知らずの抜歯は必要?」というテーマについて、ご紹介します。

親知らず

この記事の内容

そもそも「親知らず」とは?

「親知らず」とは、歯列の一番奥の部分に生える永久歯のことで、遺伝的な理由で生える人・生えない人がいます。日本人は比較的顎が小さく、親知らずができやすいと言われます。

大体15歳〜20歳くらいで生えてくるケースが多いといわれます。

なぜ「親知らず=抜歯」というイメージが強いのか?

親知らずが生えたと聞くと「抜歯しなければいけない」というイメージが強いですが、それはなぜなのでしょうか?ここでは2つの理由について紹介します。

・他の歯を圧迫してしまうため
・歯周病や虫歯のリスクを高めるため

【理由1】他の歯を圧迫してしまうため

1つ目の理由は「他の歯を圧迫してしまう」ことが挙げられます。

親知らずが萌出(ほうしゅつ)した場合は他の歯を圧迫し、歯並びが崩れてしまったり、噛み合わせが悪くなったりする原因になります。

また場合によっては、歯ぐきが腫れたり、隣の歯が親知らずに押されることによって歯根が吸収され、歯の寿命が短くなることもあります。

【理由2】歯周病や虫歯のリスクを高めるため

2つ目の理由は「歯周病や虫歯のリスクを高める」ことが挙げられます。親知らずが萌出した場合に、歯並びが綺麗に揃わず、歯磨きがしにくくなったり、汚れが溜まりやすくなったります

その結果、虫歯・歯周病口臭の原因にもなります。

歯科矯正は親知らずを抜いた方がいい?

親知らずの抜歯

マウスピース矯正・歯科矯正をするときに、親知らずは抜いた方がいいのでしょうか?基本的には歯科矯正を進める上で「親知らずがあるから矯正治療ができない」ということはありません

なぜなら親知らずは歯科矯正の対象にはならないので、治療の途中で生えてきたとしても治療を中断する必要がないからです。

親知らずが生えても、綺麗に生え揃っていたり歯列に影響がなかったりする場合は、そのまま治療を進めるケースがほとんどです。

また歯と歯の間に0.3mm程のスペースを作る「IPR(ディスキング)」という方法があり、この方法でスペースを確保できる場合も、親知らずを抜かない判断をする場合があります。

しかし一部、矯正治療をする上で親知らずを抜く必要があります。そのケースについて、いくつか紹介したいと思います。

【ケース1】歯並びに影響を及ぼしている場合

親知らずが原因で歯並びが乱れている場合、抜歯をすることがあります。歯科矯正をしようと思っても、親知らずが邪魔になり、歯を動かしにくいことがあるからです。

そういった場合は歯科医師の判断で、事前に抜歯をすることがあります。

【ケース2】歯並びを整える上でスペースが必要な場合

先ほども述べたように、親知らずは基本的に一番奥の部分(中央から8番目)に生えます。そのため歯を動かす上でスペースを圧迫し、歯科矯正の支障になることがあります

その場合は歯列を整えやすくするために、親知らずを抜歯することがあります。

【ケース3】将来的に歯列を押し戻す懸念がある場合

通常親知らずが歯ぐきに埋まった状態であれば、歯科矯正に支障はありません。しかし親知らずの方向が前を向いていたりする場合、将来的に矯正した歯列を押し戻してしまう可能性があります

そのような場合は歯科医師の判断で、抜歯を提案されることもあります。いずれのケースも自身での判断が難しいため、どうすれば最も自分の理想の歯並びに近づくか、事前に診断しておくことをおすすめします。

もし歯科矯正中に親知らずが生えてきたら?

親知らずが生えた

矯正治療中に親知らずが生えてきた場合でも、歯並びに影響がなかったり、歯並びを圧迫したりすることがなければ、抜歯の必要はありません

ただし歯並びを圧迫したり、歯列を整えるスペースを十分に確保できない場合は抜歯した方がいいケースがあります。

また先ほども挙げたように、親知らずが矯正治療以外にも、虫歯歯周病リスクを高める場合があります。

そういった生え方の場合も、抜歯をした方が口内を健全に保ちやすいため、抜歯した方が良い場合があります。

親知らずを抜いた場合の対処法

親知らずの抜歯を行った場合は、歯科医師に従いしっかりケアする必要があります。抜歯をした後は通常抗生物質が処方されますので、指示通り服用するようにしましょう

また抜歯後の箇所には「血餅」というものができ、「かさぶた」のように傷口を守ってくれます。

この血餅が剥がれてしまうと完治が遅れるため、何度もうがいをしたり、ブラシで強く擦ったり、また飲酒をしたりすることは極力控えるようにしましょう

その後の歯科矯正治療でも、しっかりと歯科医師に従い治療を進めるようにしましょう。

【参考情報】親知らずの抜歯に保険適応は可能?

審美目的の歯科矯正そのものが保険の対象とならないため、矯正治療のために親知らずを抜く場合も同様に保険適応外となります。

ただし親知らずが原因で虫歯・歯周病になったなど、矯正治療と関係が無い抜歯の場合は、保険対象となるケースがあります

保険適応ができるかについても、歯科医師に確認をするようにしましょう。詳しくは「マウスピース矯正・歯科矯正は医療控除の対象になる?その答えは・・・」の記事も参考にしてみてください。

マウスピース矯正と親知らずのまとめ

親知らずとマウスピース矯正

今回はマウスピース矯正をする際に、親知らずを抜くべきかについてまとめました。最終的には歯科医師の判断になりますが「必ずしも抜かなくていい」ということを知っていただけたらと思います。

一方でいろんなリスクを踏まえ、抜歯した方がよいという判断になることもあるため、理想の歯並びに近づくためにどうするのがベストか、しっかりと歯科医師と話し合うようにしましょう。

Zenyumの歯列矯正のビフォーアフター

ここでは実際にZenyumで歯列矯正(歯科矯正)をされた方の、ビフォーアフターの写真を紹介します。

①出っ歯(上顎前突症)のビフォーアフター

出っ歯_上顎前突症のビフォーアフター

(治療期間:7ヶ月)

②叢生(歯のデコボコ)のビフォーアフター

叢生でこぼこのビフォーアフター

(治療期間:6ヶ月)

③すきっ歯のビフォーアフター

すきっ歯のビフォーアフター

(治療期間:7ヶ月)

④受け口(下顎前突症)のビフォーアフター

受け口下顎前突症のビフォーアフター

(治療期間:5ヶ月)

⑤開咬(オープンバイト)のビフォーアフター

開咬オープンバイトのビフォーアフター

(治療期間:8.5ヶ月)

歯科医師・西川徹先生からの一言

歯科医師西川徹

現在ワイヤー矯正、また、マウスピースでの矯正治療をさせていただいております、西川と申します。

今回は矯正治療を行う上で、親知らずの抜歯が必要かどうかについてまとめられていました。

親知らずの抜歯については、矯正治療に関してだけでなく、虫歯や歯周病のリスク、上下ともきちんと噛み合っているか、上下で片方のみ生えているか、また、歯ブラシなどが届きやすい状態で清掃性が良いかなど、総合的に判断して抜歯するかどうかを決めます

親知らずが真っ直ぐ生えていて現在の噛み合わせに支障がない場合は、抜歯せず矯正を開始する場合もありますが、矯正される患者様は不正咬合や叢生といった、歯が重なった状態の方が多いため、スペースを確保する目的で抜歯する場合もあります。

また、親知らずの生えかたによっては、矯正治療後に綺麗にならんだ状態の歯並びが、戻ってしまうリスクにもなるため、矯正治療後に抜歯することもあります。

これらの治療計画は、レントゲンなどを撮影して、骨格や歯の位置などを分析し、診断して初めて決まるものなので、抜歯しなければいけないかもしれないとご不安の方もいらっしゃると思います。

しかし抜歯にならない可能性もあるため、まず専門の歯科医に診断してもらい、ご自身の状況を正しく把握することで、どのように矯正治療を始めていくかの参考になると思います

矯正を迷われている方は、一人で悩まず、周りのかたや専門医に相談されることをおすすめします。

この記事の監修
歯科医師 西川徹
西川 徹 先生
歯科医師

あなたはおそらくそれも好きでしょう...

言語

マウスピース矯正をするときに親知らずの抜歯は必要?

免責事項

このデバイスまたはソフトウェアは、いかなる医療目的(いかなる病状または疾患の検出、診断、監視、管理または治療など)にも使用されることを意図していません。
このデバイスまたはソフトウェアによって提供される健康関連の情報は、医療アドバイスとして扱われるべきではありません。必要な医療アドバイスについては、医師にご相談ください。

免責聲明

本設備或軟件不會用作任何醫療用途(包括任何醫療狀況或疾病的檢測、診斷、監測、管理或治療)。 此設備或軟件提供的任何與健康相關的信息不應被視為醫療建議。 請諮詢醫生以獲取所需的任何醫療建議。

This site is registered on wpml.org as a development site.